腹部エコー検査
腹部エコー検査とは
腹部エコー検査は、腹部に超音波を当てて、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓の異常がないかを調べるための検査です。
定期検診での異常や血液検査で気になることがあった場合、より詳細な情報を集めるために行います。
エコー検査で分かる病気
腹部エコー検査を行うことで、なかなか気づけない内臓の疾患をいち早く察知し、治療に繋げていくことができます。
肝臓の疾患
肝臓は「沈黙の臓器」という別名があるほど、自覚症状が出にくい臓器です。
進行してから病気が見つかるというケースが多くあります。
肝臓がん
肝臓がんは、肝臓にできるがんの総称で「肝がん」と呼ばれることもあります。
ウイルスによるもの、肝障害の悪化によるものなど、原因はさまざまです。
アルコール性肝炎・肝硬変
アルコールが原因となるアルコール性肝炎や脂肪肝が悪化することで発症する肝硬変は、いろいろな健康リスクにつながります。
肝のう胞
肝のう胞とは、肝臓の一部に液体がたまる病気です。
袋部分が大きくなると痛みや不快感、圧迫感などを感じたり、破裂してしまったりするリスクもあります。
胆のうの疾患
胆のうとは、肝臓で作られる胆汁を溜めておく器官です。
主な疾患としてはがんやポリープ、胆石によるトラブルが挙げられます。
胆のうがん
胆のうやそれにつながる胆のう菅にできる悪性腫瘍を「胆のうがん」と言います。
痛みや不快感といった自覚症状が出にくく、多くの場合は健康診断のエコー検査で偶然発見されます。
胆のうポリープ
胆のうポリープとは、胆のうの粘膜や内側に発生した隆起のことで、ほとんどの場合は良性ですが稀に悪性のものがあるため、精密検査を行う必要があります。
胆石症
胆石症とは、胆汁の流れる道に石ができてしまう病気の総称です。
膵臓の疾患
膵臓は、消化液を分泌したり、インスリンなどのホルモンを分泌したりと、体に欠かせない働きを担っている器官です。
さまざまな器官の中でも問題が見つけにくい部分です。
膵臓がん
膵臓がんは、数あるがんの中でも早期発見が難しく、進行が早い病気です。
切除が可能な段階で見つけるためには、定期検診でのエコー検査が欠かせません。
膵のう胞
膵臓に袋状にできた液溜まりを膵のう胞と言います。
膵のう胞は大きく腫瘍性と非腫瘍性の二つに分けられます。
まずは精密検査を行い、適切な治療を行っていきましょう。
その他の病気
腹部エコーでは、肝臓・胆のう・膵臓以外の疾患を発見することも可能です。
どんな病気でも早い段階で治療を行うに越したことはありませんので、しっかりと診断を受けて必要な治療を開始しましょう。
腎臓がん
腎臓がんは、腎臓の細胞ががん化したもので、腎がんと呼ばれることもあります。
多くの場合は腹部エコー検査やCT検査で見つかります。
腹水
腹水とは、お腹の中に体液が溜まってしまっている状態を言います。
原因として最も多いのはがん性腹膜炎と言われるもので、がん治療の妨げになることもあります。
胸水
肺の外側に水が溜まることを胸水と言います。
胸水には「滲出液」と「漏出液」の2つのパターンがあり、それぞれ原因となる病気が異なります。
腹部大動脈瘤
腹部大動脈瘤とは、腹部大動脈が部分的に肥大する病気で、通常は20mm程度の大動脈が30mm以上に膨らんでいると腹部大動脈瘤と診断されます。
検査の流れ
検査は、日帰りで行います。
当日は朝食を抜き、検査1時間前にはコップ1〜2杯ほどのお水を飲むようにしてください。
検査では、お腹に潤滑剤となるゼリーを塗布し、エコーの機械を当てて内臓部分を丁寧にチェックしていきます。
検査時間はそれほど長くありませんのでご安心ください。
注意事項
当日は朝食を抜き、牛乳や砂糖の入った飲料水は控えて下さい。
また、検査は膀胱に尿が溜まっている状態で行いますので、できるだけトイレに行かないようにしてください。
持病でお薬の服用が必要な方は、医師による中止の指示がない限り、通常通り服用してください。